2020-03-21

購入本＆届いた本

買物日常

26.『ミステリマガジン』2020年3月号（早川書房）
　→特集「シャーロック・ホームズは何度でも蘇る」。
東京創元社から来月刊行される長編のプルーフ版が届く。
27.ラーラ・プレスコット『あの本は読まれているか』（東京創元社）　※プルーフ版

ミステリマガジン 2020年 03 月号 [雑誌]

発売日: 2020/01/24
メディア: 雑誌

あの本は読まれているか

作者:ラーラ・プレスコット
発売日: 2020/04/21
メディア: 単行本

2020-03-17

購入本

買物

25.新章文子『沈黙の家』（光文社文庫）
　→第5長編、初文庫化。短編3作を併録。解説は山前譲。

沈黙の家 (光文社文庫)

作者:文子, 新章
発売日: 2020/03/12
メディア: 文庫

2020-03-16

山本巧次『花伏せて　江戸の闇風二』（幻冬舎時代小説文庫）★★★

山本巧次時代小説

常磐津の文字菊師匠ことお沙夜は、悪人から金を掠め取る闇の仕事師の頭領という裏の顔を持つ。今回の標的は、大掛かりな詐欺で商家から大金を騙し取り破滅させる町名主・間島新左エ門と菓子屋の主人で金貸しの裏稼業をしている一文字屋惣兵衛。火盗改が仕事に乗り出したお沙夜一味の存在に気付き、動き始め――。
〈江戸の闇風シリーズ〉第2作。
お沙夜一味の手口は前作とほぼ同じなのが痛い（コン・ゲームの要素を持つ作品なのだから工夫してほしい）。しかし、今回はこの手口にした理由があり、その点に関しては感心した。
また、前作同様ラストに有名人が登場し、お沙夜の過去の一端が明らかになる。彼女が彼らとどう対峙していくのか、今後の展開から目が離せない。

花伏せて江戸の闇風二 (幻冬舎時代小説文庫)

作者:山本巧次
発売日: 2020/02/06
メディア: 文庫

2020-03-14

『Problem Paradise』発表作（7）

詰将棋

『Problem Paradise』85号・Shogi-U259

【協力詰（ばか詰）】
　双方協力して最短手数で受方玉を詰める。透かし詰は詰みと認められない。
【透明Imitator】
　Imitatorを透明駒化したもの。
　Imitatorとは、着手をしたときその着手と同じベクトルだけ動く駒。駒を飛び越えたり、駒のある地点に着手したり、盤の外に出たりするような着手は禁止。これは王手の判定にも適用される。

【結果】
正解３名？（実質正解者２名？）
【手順】
４二馬、３二玉、１二竜まで３手。
【コメント】
2018年8月8日完成、11月1日投稿。
Twitterで相馬慎一氏が透明Imitator作品を発表されていたので、作ってみました。
初手でImitatorが１筋にある可能性を排除（王手にならないため）し、続く２手目でImitatorの位置を確定させます。着手完了時、Imitatorがある候補地点は21と34の２か所に絞られますが、21にあると仮定した場合、逆算するとImitatorは初形で33地点にあったことになり、非合法局面のためありえません。よって、Imitatorは34地点にあると確定します。なお、駒を打つ受けは３手目の王手に対して受けがあるため成立しません。最終手でImitatorでは定番の両王手となり、詰み。
※元々は下図でしたが、検討を楽にするため発表図に変更しました。

2020-03-13

モーム、フォークナー他／小森収=編『短編ミステリの二百年１』（創元推理文庫）★★★★

アンソロジーミステリー

短編12編（全て新訳）に編者の評論を収録したアンソロジーの第1巻。

リチャード・ハーディング・デイヴィス「霧の中」In the Fog
　ロンドンの社交クラブ〈グリル〉で語られる３つの物語は意外な結末を迎える――。
　「クイーンの定員」に選ばれた（＃29）短編集の表題作。「霧の夜」の題で邦訳あり。
Ｒ・Ｌ・スティーヴンスン「クリームタルトを持った若者の話」Story of the Young Man with the Cream Tarts
　三月のある夜、変装をして夜の街をお忍びでぶらつくボヘミアのフロリゼル王子と腹心の近衛騎兵隊長ジェラルディン大佐は、オイスターバーで客にクリームタルトを配ってまわる若者と出会う。彼に興味を持ち食事に誘った王子は、『自殺クラブ』の存在を知る――。
　「クイーンの定員」に選ばれた（＃11）連作集『新アラビア夜話』の冒頭を飾る一編。
サキ「セルノグラツの狼」The Wolves of Cernogratz
　セルノグラツ城にまつわる言い伝えを語った老家庭教師。グルエベル男爵夫妻は歯牙にもかけなかったが――。
サキ「四角い卵（アナグマの目で見た塹壕戦の泥）」The Square Egg(A Badger's-Eye View of the War Mud in the Trenches)
　フランスの戦場近く。〈幸運のウサギ〉という小食堂で、わたしは隣に座っていた男から話しかけられた。男は四角い卵を産む新種を作りだしたという――。
アンブローズ・ビアス「スウィドラー氏のとんぼ返り」Mr.Swiddler's Flip-Flap
　しかるべき理由もなく原住民を一方的に射殺したとされるジェローム・ボウルズが絞首刑になる日、州知事から恩赦状を受け取ったスウィドラーは友人の処刑を止めるためフラットブロークへ向かう――。
サマセット・モーム「創作衝動」The Creative Impulse
　ミセス・アルバート・フォレスターが『アキレスの像』を執筆することとなった経緯とは――。
イーヴリン・ウォー「アザニア島事件」Incudent in Azania
　英国とフランスによる合同保護領であるアザニア島で、石油会社の代理人ブルックスの娘のプルネラが誘拐された――。
ウィリアム・フォークナー「エミリーへの薔薇」A Rose for Emily
　ヨクナパトーファ郡ジェファースンで、ミス・エミリー・グリアスンが74歳で世を去った。彼女の屋敷で40年間、だれものぞいたことのない開かずの間でわれわれ町のものたちが見たものとは――。
コーネル・ウールリッチ「さらばニューヨーク」Goodbye,New York
　わたしが帰宅すると、夫のレイフがガス自殺を図っていた。未遂に終わるが、その夜、彼はどこかに出掛け、夜が明けてから帰宅した。上着のポケットを探ると五百ドルが入っており、新聞の「引退した実業家アントン・フロイントが自宅で殺され五百ドル盗まれた」という記事に目を留める――。
リング・ラードナー「笑顔がいっぱい」There Are Smiles
　交通巡査のベン・コリンズは交通違反者にユーモアのある説教をすることで知られていた。ある日、彼の前に猛スピードでキャデラックを飛ばす美しい娘が現れた――。
デイモン・ラニアン「ブッチの子守歌」Butch Minds the Baby
　おれはブルックリンの三人組に頼まれ、腕利きの金庫破りだったブッチに会わせる。石炭会社の金庫に入っている二万ドルを奪うため、おれたちは赤ん坊連れで金庫破りをすることになった――。
ジョン・コリア「ナツメグの味」The Touch of Nutmeg Makes It
　鉱物学研究所に勤めるわたしは同僚のローガンと共に新顔のJ・チャプマン・リードと親しくなった。彼はバラバラ殺人の嫌疑をかけられ裁判で無罪になった過去があった。ある夜、わたしたちは彼からその一部始終を聞くことになる――。
小森収「短編ミステリの二百年」
　解説を兼ねた評論風の講義。第1巻のテーマは『世界推理短編傑作集』の影の内閣、『犯罪文学傑作選』、雑誌の時代。