(ライトな)フェアリー短編コンクール 第13番 解答

(ライトな)フェアリー短編コンクールに17名の方から解答をいただきました。ありがとうございました。
また、投稿してくださった15名のみなさんもありがとうございました。

◆参加者 16名(敬称略)
神無太郎、上谷直希、せら、藤原俊雅、駒井めい、小林看空、青木裕一、神無七郎、springs、馬屋原剛、変寝夢、たくぼん、真T、さんじろう、神在月生(以上15名、到着順)+占魚亭

◆解答者 17名(到着順、敬称略)
若林、神無七郎、たくぼん、冬眠蛙、金少桂、変寝夢、風みどり、青木裕一、藤原俊雅、駒井めい、神在月生、菊田裕司、雲虚空、上谷直希、Pathfinder、せら、一乗谷酔象


第13番 せら作
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【ルール】
詰将棋
 攻方は受方がどのように応じても詰むように攻め、受方はなるべく詰まないように応じる(いわゆる普通の詰将棋)。

【手順】
(イ)55角、(A)28飛成、(ロ)22桂合、同馬、同角、23桂、12玉、21銀、13玉、24銀まで10手。

【変化】
(イ)39飛は29飛成、33合、同馬、同飛成、21龍まで6手。
(ロ)22歩合は同馬、同角、12歩、同玉、23銀、13玉、14銀上まで同手数駒余り。

【紛れ】
(A)28飛生も可(非限定)。
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【正解】15名

【お気に入り投票】1票

【作者解説】
 双玉の受先詰将棋です(受方玉に必至がかかっており、最も延命できる手を選ぶ)。初手は攻方王に王手するしかありませんが、39~99飛は29飛成、37、46、64~91角なども28飛成で容易に詰んでしまいます。初手55角とし、3手目馬を取らずに22合とするのが受方の最善です。22へ前に利く駒を合駒すると変化(ロ)のように駒が余るので桂合となります。

Twitterで活動されている謎多き作家・せらさんの作品。普通詰将棋の複数解やツインの投稿は想定していましたが、受先は想定していませんでした。
 初手が考え所で、そこをクリアすれば後はスラスラ手が進むので易しかったと思います(最終手の作意は24銀ですが、24龍も勿論正解)。初手の他にも何かあったら……というのは望み過ぎでしょうか。

【短評】
若林さん
 初手は絶対なので実質伝統ルール9手。主張はよくわからないが、ともかくひさしぶりに伝統ルールを解きました。……と書いてからPDFを読み、初手候補がほかにもあることを知りびっくり。

★「飛か角か」という意味でした。紛らわしい書き方ですみませんでした。

神無七郎さん
 攻方王手義務のせいで「無駄な抵抗」が無駄でなくなる受先詰将棋の面白さ。
 2手目成・生非限定が成立するようですが、もしそうなら出題時に但し書きが欲しいと思います。(フェアリーでは完全限定が普通なので)

★2手目成生非限定について言及するのを忘れていました。申し訳ございませんでした。

たくぼんさん
 詰将棋で受先の完全作はやるなあと思いました。

冬眠蛙さん
 これ以外考えられない初手で考えやすかったです。

金少桂さん
 攻方に王手義務があると55角の王手馬取りが一番の抵抗になるのか。
 受先以外は伝統ルールのはずなのに将棋の実戦ではありえない手で異次元感覚。

変寝夢さん
 18銀は、何かなと思ったがなかったら駒打たれて即死だった。
 初手の発想は面白い。必至図の逆王手ラッシュのようなイメージがした。

風みどりさん
 これは良く意味が理解できていないようです。

青木裕一さん
 どうやっても詰みそうな形で55角は妙防。

駒井めいさん
 初手39飛も考えたが、攻方の飛車を制限するには初手55角でピンするしかなかった。序盤の応酬が面白い。

藤原俊雅さん
 初手と3手目の組み合わせはなかなか面白い。15銀をちょっと変えれば2手目の飛成を限定できるんじゃないだろうか。

菊田裕司さん
 余詰みたいな手順で自信なし。3手目の変化で作意が2通りになったりするのかと思ったが…。設定は面白い。

雲虚空さん
 2手目以降の手順が物足りないので誤解っぽい。

上谷直希さん
 22合が有効合に見えにくい。収束はもう1枚ぐらい捌きたい。

【作者予想】
たくぼんさん
 せらさん(せらさんはよく知らないので…一番自信がありません)

★見事、的中でした。

(ライトな)フェアリー短編コンクール 第12番 解答

(ライトな)フェアリー短編コンクールに17名の方から解答をいただきました。ありがとうございました。
また、投稿してくださった15名のみなさんもありがとうございました。

◆参加者 16名(敬称略)
神無太郎、上谷直希、せら、藤原俊雅、駒井めい、小林看空、青木裕一、神無七郎、springs、馬屋原剛、変寝夢、たくぼん、真T、さんじろう、神在月生(以上15名、到着順)+占魚亭

◆解答者 17名(到着順、敬称略)
若林、神無七郎、たくぼん、冬眠蛙、金少桂、変寝夢、風みどり、青木裕一、藤原俊雅、駒井めい、神在月生、菊田裕司、雲虚空、上谷直希、Pathfinder、せら、一乗谷酔象


第12番 神在月生作
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【手順】
 91飛、同と、98角、87飛、22歩生、12玉、89角、56角、17龍、同飛成まで10手。
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【正解】7名

【作者コメント】
 フェアリーでもつい遠打を考えてしまう人です。
 初手は玉方に飛を渡すための回収手筋もどき。
 過去作例は多そうですが、無知のためご容赦を。

神在月生さんの作品。
 ポツンと配置されていると金に目が行く初形。誘いに乗って91飛と打ってみます。同とに98角。ここで87飛と合駒できるのが飛車を渡した効果で、詰み形へ向けた仕込みの第1弾。飛車を取るのは元も子もないので22歩生、12玉として89角。これに56角と合駒をするのが仕込みの第2弾で、29地点へ睨みを利かします。仕込みが完了したので17龍を決行し、同飛成で詰み。
 92とが見え見えの配置ですが、飛角の最遠打を入れたのはお見事。

【短評】
若林さん
 難しい。飛車を渡して飛車を合駒で再利用するため、という92との意味づけが明確で助かった。

神無七郎さん
 「92と」が91飛を打てと主張している初形。
 もう少しさりげない配置で実現出来たら良かったと思います。

たくぼんさん
 飛を渡す初手がよく入ったなあと感心ですが、92とはちょっと初手が見えやすい配置かなあと感じました。

冬眠蛙さん
 これしか自玉が詰む形がない……と教えてもらいましたw

★詰とうほくで尾形さん・岩本さんと解かれたそうです。

変寝夢さん(コメント)
 10手だとソフトに20時間解かせてもダメだったが、3手目から解かせてみたら(初手と2手目は一目これしかないので)、2分で解図。一生懸命作ったのがよくわかる。

風みどりさん
 古典的ですが、オイラにはちょうど良く、楽しめました。

神在月生さん
 フェアリーも 遠打に固執 変わり者

雲虚空さん
 92とが怪しすぎます(笑)。

【作者予想】
たくぼんさん
 springsさん(協力自玉詰というだけです。ちょっとわかりません)

springsさんは『詰パラ』「詰将棋メーカー」で協力自玉詰を発表されていますから、候補に挙がっても不思議ではありませんね。

(ライトな)フェアリー短編コンクール 第11番 解答

(ライトな)フェアリー短編コンクールに17名の方から解答をいただきました。ありがとうございました。
また、投稿してくださった15名のみなさんもありがとうございました。

◆参加者 16名(敬称略)
神無太郎、上谷直希、せら、藤原俊雅、駒井めい、小林看空、青木裕一、神無七郎、springs、馬屋原剛、変寝夢、たくぼん、真T、さんじろう、神在月生(以上15名、到着順)+占魚亭

◆解答者 17名(到着順、敬称略)
若林、神無七郎、たくぼん、冬眠蛙、金少桂、変寝夢、風みどり、青木裕一、藤原俊雅、駒井めい、神在月生、菊田裕司、雲虚空、上谷直希、Pathfinder、せら、一乗谷酔象


第11番 変寝夢作
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【手順】
 98角、87角、32金、12玉、89角打、11玉、21金、同角成、22桂成、同馬まで10手。
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【正解】12名

【お気に入り投票】2票

【作者コメント】
 22馬とするためには、角を87へ打たなければならないのが狙いです。
 最終形も面白いかも。

★変寝夢さんの作品。非標準駒数+使用駒制限作です。
 詰み形の予想が立てやすく、14桂・23金の消し方も見えているので、易しかったと思います。

【短評】
若林さん
 最初 b)攻方持駒 角と思い込んだのはご愛敬。持駒制限のためそれっぽい手を指してしまえば解けてしまう。

神無七郎さん
 隅玉を角だけで詰めるには角が3枚必要。
 でも、その3枚のうち2枚は玉の味方側の角でも構わないということですね。

たくぼんさん
 詰上りの予想はたつけど楽しい順でした。馬を作る87角の合駒が光ります。

金少桂さん
 最終形が見えているので方針が立てやすい。
 99-11ラインに玉方角をどう設置するか困ったが、馬作りに気づいて解決。

風みどりさん
 持駒制限があると詰め上がりが読めるので楽ですね。

青木裕一さん
 成れる位置に限定合というのが上手いです。

藤原俊雅さん
 この詰上りは作ってみたくなる。

神在月生さん
 遠打にて 退路封鎖の 二枚角

雲虚空さん
 きれいな手順ではありますが、角3枚使ってまでやる手順なのかな? とは思う。

上谷直希さん
 自玉10手詰は普通ならば難しいはずだが、本作は安心設計。

せらさん
 ユーモラスな詰上がり。

一乗谷酔象さん
 3枚角が大ヒント。

【作者予想】
たくぼんさん
 小林看空さん(標準駒数でないのでベテランかなと)

★面白い着眼点。私は、看空さんは非標準駒数の短編は作らないイメージを持っています。

(ライトな)フェアリー短編コンクール 第10番 解答

(ライトな)フェアリー短編コンクールに17名の方から解答をいただきました。ありがとうございました。
また、投稿してくださった15名のみなさんもありがとうございました。

◆参加者 16名(敬称略)
神無太郎、上谷直希、せら、藤原俊雅、駒井めい、小林看空、青木裕一、神無七郎、springs、馬屋原剛、変寝夢、たくぼん、真T、さんじろう、神在月生(以上15名、到着順)+占魚亭

◆解答者 17名(到着順、敬称略)
若林、神無七郎、たくぼん、冬眠蛙、金少桂、変寝夢、風みどり、青木裕一、藤原俊雅、駒井めい、神在月生、菊田裕司、雲虚空、上谷直希、Pathfinder、せら、一乗谷酔象


第10番 神無太郎作
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【ルール】
・Isardam
 同種の敵駒の利きに入る手を禁止する。玉を取ると同種の敵駒の利きに入る場合は王手とみなさない。(タイプA)
 (補足)
 ・玉を取るとき敵駒の利きに入るかどうかを問わない場合は、「タイプB」。
 ・成駒と生駒は別種の駒として区別する。

【手順】
 19香、15香、17桂、同玉、16桂、18金、同香、16玉、27金まで9手。
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【正解】7名

【お気に入り投票】1票

【作者コメント】
 結局新しいものはできず、ストックの中から最もライトなルールのものを選んでみました。
 2020年6月の氾濫出題作と同時期に作ったものです。香の利きの消失と復活が端的に表現できていると思います。

★神無太郎さんの作品。初手はこの一手。2手目がIsardamらしい受けで、玉を取る手を消しています。3・5手目に桂を打って受方香の利きを遮断し、以降は簡単。
 作者コメントにある「2020年6月の氾濫出題作」は下図。本作の別パターンと言える手順です(手順は末尾に)。

  神無太郎作
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 (『詰パラ』2020年6月号)

【短評】
若林さん
 最後26金が効かないのがIsardamの持ち味。

神無七郎さん
 25歩は桂で受ける手を消す配置だと予想したのですが、金で受ける手を消す配置だったのですね。
 攻守の走り駒で挟まれた駒が、その利き筋上から離れられない現象はIsardamの効果を利用したピン止めの一種ですが、この状態を表す何か良い用語はないでしょうか? そのまま「Isardamピン」?

★Isardamピン、わかりやすくていいですね。

たくぼんさん
 Isardamらしい不思議な手順。2手目が上手い手でした。

金少桂さん
 双方の香で玉をサンドイッチすると玉はライン上から出られないというルール解釈で合ってますよね?
 最終形で攻方25歩の意味がわかってすっきり。

★はい、その解釈で合っています。

変寝夢さん(コメント)
 16、17への連続遮断駒が当然とはいえ好手。特に17桂に対して同玉と取らせるところが面白かった。

青木裕一さん
 香の打ち場所や合駒の駒種が限定されているのが良いです。

雲虚空さん
 2手目は27玉しかないと信じて疑ってなかった。

せらさん
 2手目の位置や6手目の合駒がうまく限定されている。

【作者予想】
たくぼんさん
 上谷直希さん(こんな作を創りそうという希望的観測です)

★上谷さんが創りそう――その感覚、わかります。

■紹介作品の手順(背景と同色にしています)
・神無太郎作
 「19香、14香、16桂、27玉、39桂、16玉、28桂、15玉、27桂」まで9手。