骨のあるImitator 7手 第1問

骨のあるImitator 7手 第1問(『WFP』第166号)

【協力詰(ばか詰)】
双方協力して最短手数で受方玉を詰める。透かし詰は詰みと認められない。
【Imitator(■または I)】
着手をした時、その着手と同じベクトルだけ動く駒。攻方・受方どちらにも所属しない。Imitatorが駒を飛び越えたり、駒のある地点に着手したり、盤の外に出たりするような着手は禁止。これは王手の判定にも適用される。利きを持たず、性能変化ルールでも性能変化の対象にならない。


 
【手順】
a)56歩、65飛、23馬[I77]、44玉[I66]、54銀成[I57]、25飛[I17]、45馬[I39]まで7手。
b)56歩、65金、21馬[I75]、13馬[I31]、65馬[I75]、54玉[I74]、64金まで7手。
【コメント】
2016年7月12日完成。
a)・b)ともに初手が同じ。明快な対照要素がないのでバラした方がよかった気もしますが、そういうことはあまり気にしない方針でやっているのでお許しを。

第1回最後の1ピース作品展 出品作品

第1回最後の1ピース作品展16(『WFP』第164号)

【最後の1ピース】
出題図に指定された枚数の駒を“追加”して指定されたルール・手数の完全作にする。追加する駒は、攻方の駒・受方の駒・攻方持駒いずれでも構わない。
【Imitator(■または I)】
着手をした時、その着手と同じベクトルだけ動く駒。攻方・受方どちらにも所属しない。Imitatorが駒を飛び越えたり、駒のある地点に着手したり、盤の外に出たりするような着手は禁止。これは王手の判定にも適用される。利きを持たず、性能変化ルールでも性能変化の対象にならない。
【協力詰(ばか詰)】
双方協力して最短手数で受方玉を詰める。透かし詰は詰みと認められない。
【受先】
受方から指し始める。
【結果】
正解2名(実質正解者1名
【追加駒・手順】
追加駒:受方57玉
手順:74角、58銀、56角[I47]、77龍[I49]まで4手。
【コメント】
2019年8月22日完成、2021年11月20日改作、11月21日投稿。
「やさしいImitator PART4」で使わなかったものを最後の1ピース用に仕立て直しました。
詳しくは結果稿の自作解説をお読みください。

『Web Fairy Paradise』発表作(108)

第140回WFP作品展 140-3(『WFP』第165号)

【協力詰(ばか詰)】
双方協力して最短手数で受方玉を詰める。透かし詰は詰みと認められない。
【全Andernach】
玉以外の駒は盤上の移動を行うと、着手後に相手の駒となる。
※補足
1)盤上の移動で二歩になる場合、相手の駒にならない。
2)相手の駒になるのは成生の選択後。
3)盤上の移動では、相手陣二段目への桂の不成、一段目への桂香歩の不成が可能(二歩の例外を除く)。
【結果】
正解 1)4名(実質正解者3名) 2)3名(実質正解者2名)
【手順】
1)23馬転、35馬転、26馬転、35馬転、16歩、14玉、26桂まで7手。
2)46馬転、35馬上転、46馬転、16玉、28桂、同馬転、27角まで7手。
【コメント】
2021年7月21日完成、2022年2月20日投稿。
まだ完全に感覚を掴めていませんが発表してみました。
全AndernachはAntiAndernach同様過激なルールですが、Antiよりは制御しやすいと感じています。
受方馬(13馬)の動きを楽しんでいただければと思います。

西村京太郎『寝台特急(ブルートレイン)殺人事件』(光文社文庫)★★★★

ブルートレインの人気の秘密を探るため、「週刊エポック」の記者・青木は東京発西鹿児島行きの下り寝台特急はやぶさ〉に乗り込んだ。薄茶のコートを着た女に魅かれた彼は思わず写真を撮るが、フィルムを盗まれてしまう。その後、青木は奇妙な体験をすることになる……。
翌日、多摩川に薄茶のコートを着た若い女の溺死体が浮かんでいた。川から発見されたハンドバッグから青木の名刺が発見される。十津川は本多一課長から呼び出され、ハンドバッグから青木の名刺の他に運輸大臣・武田信太郎の名刺があったと告げられる。その名刺は、二年前の五億円詐取事件に利用されたのと同じものだった。二つの事件に関連はあるのか、一課長は十津川に捜査を命じた――。
十津川省三警部シリーズ第9長編で、記念すべきトラベル・ミステリー第1作。西村の出世作であり、綾辻行人との対談で自選ベスト5に選出されている。
本作は『赤い帆船』と同様に十津川が犯人にいいようにやられる話(方向性は異なるが)なのが興味深い。
本格ミステリとして見た場合、穴がボロボロあって話にならないが、サスペンスでグイグイ引っ張るタイプの作品なので気にならない。使われているトリックの1つは松本清張も使っているが、本作刊行時には未刊(連載は終了していた)なので知らなかったのかもしれない。
本格ミステリとしては出来は良くないが、サスペンスとしてはかなり面白い作品だと思う。
ところで、犯人(というか首謀者)の設定に気になる部分があるのだが、あれはどういう意図があったのだろう?

詰将棋フェスティバル【複数解・ツイン・変同解部門】出品作品

詰将棋フェスティバル 複数解・ツイン・変同解部門02(『WFP』第167号再録)

【協力自玉詰(ばか自殺詰)】
双方協力して攻方玉を詰める。
【Orphan(谺)】
フェアリーチェスのOrphan。本来は利きを持たないが、敵駒に取りを掛けられると、その駒の利きを持つ。
※補足
1)複数の駒から取りを掛けられると、それらを合成した利きになる。
2)敵Orphanから利きを写すこともできる。利きの転写は再帰的で、利きが増えた結果、更に多くのOrphanを巻き込み、相互に利きを増幅させることも可能。
 
【手順】
1)13龍、26玉、22龍、23角、28谺、49飛成まで6手。
2)36龍、17玉、35谺、28玉、46谺、57金まで6手。
【コメント】
2021年11月25日完成・投稿。
駒井めいさんのnoteにて2022年2月12日に開催された「詰将棋フェスティバル」の【複数解・ツイン・変同解部門】に出品した作品。
狙いを実現するのに無理があることが確定したため眠っていたツインの素材(2021年2月10日作成)を2解用に仕立て直しました。Orphanの使い方の対照(飛と角)が入りそれなりの形になったような気もしますが、いろいろと詰めの甘さが目立ちますね(苦笑)。
Orphanに関してはやりたいネタがあるので、いつか発表できればと思っています。