土曜ワイド劇場『弁護士・森江春策の事件 裁判員法廷』

原作=芦辺拓「自白」(文藝春秋刊『裁判員法廷』所収)
脚本=坂田義和
監督=山本邦彦
出演=中村梅雀(森江春策)、若村麻由美(菊園綾子)、金田明夫(高柳事務官)、角替和枝(町田澄代)、竜雷太(菊園喜助)、岩崎ひろみ(新島ともか)、田山涼成(藁山花俊)、石丸謙二郎(加藤高弥)、中西良太(豊幌元雄)、中村綾(朝浜江里梨)、三浦力(桐石響樹)、垣内彩未(来栖綴)ほか
森江春策は、戸越銀座商店街の米屋の2階に事務所を構える弁護士。弁護士とは思えぬ風貌から、米屋の店員に間違えられることもしばしば。ある日、出版プロデューサーの藁山花俊が事務所を訪れ、森江に手記の出版を持ちかけてくる。甘い言葉に乗せられた森江だったが、事務員の町田澄代に疑いの目を向けられ藁山は退散する。藁山が傘を忘れたことに気付いた森江は追いかけて届けるが、その時、ひとりの若者が現れ藁山に殴りかかる。彼の名は桐石響樹。藁山とトラブルがあるらしく、藁山は明晩8時に自宅に来るよう告げ、その場を立ち去った。翌日の午後9時、担当編集者の豊幌元雄が藁山宅を訪れ、藁山の撲殺体を発見し警察に通報。翌朝、刑事の訪問を受けた森江は一昨日の出来事を刑事に告げる。昼食中、ニュースで桐石が逮捕されたことを知った森江は、自分の証言が原因で逮捕されたのではと気に病み警察署へ駆けつけるが、担当弁護士ではないため相手にされない。森江は警察署へ駆けつけていた桐石の友人たちに刑事に間違われるが、弁護士であることを明かし彼らから弁護を依頼される。この事件の裁判は裁判員裁判で行われることになり、担当検事は森江の司法修習生時代の同期の才媛・菊園綾子に決まる。そして公判がはじまった。取調べでは黙秘を貫いていた桐石だったが、罪状認否で藁山の殺害を自白。廷内が騒然となる中、森江は無罪を主張する。
「ゴリさんのムダづかい」「いつ見ても若村麻由美さんは美しい」というのが初見時の感想(笑)。さて、この記事を書くにあたり見返してみましたが、2時間サスペンス流の改変がされているものの、原作のエッセンスは残されているので及第点はあげられるでしょう。原作でのサプライズ(映像化は無理)の代わりに、タイムテーブルを用いて事件の流れを追い犯人を指摘するのはドラマ向きの素晴らしいアイデアですな。ミステリードラマとしては満足できる出来ですが、キャストに不満があります。中村梅雀は素晴らしい役者ですが、森江春策はないよ……。2時間サスペンス的にはアリな配役ではあるけれど、芦辺ファン的には「勘弁してください」という感じです。梅雀ファンだけど、見ていて辛かった……。若村さんの菊園検事も原作とは人物像がまるで違うけれど、いい感じでした。菊園検事を主役にしたスピンオフを作ってほしいくらいです。視聴率は12.2%だったみたいだし、続編は期待できるかな?

裁判員法廷

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