第91回WFP作品展出題作の例題02・解答

4月20日に出題した例題の解答パート2。
【協力詰(ばか詰)】 双方協力して最短手数で受方玉を詰める。透かし詰は詰みと認められない。
【AntiAndernach】 駒を取らない盤上の移動(駒を取る及び持駒を打つ以外の着手)を行うと、着手後に相手の駒となる(玉を除く)。
※補足
1)取らない移動で二歩になる場合、相手の駒にならない。
2)駒の向きの転換は成生の選択の後に行われ、成生の選択権は駒を動かした側にある。
3)取らない移動の場合に限り、8段目の桂不成、9段目の桂香歩の不成が可能(二歩の例外を除く)
【Imitator(■またはI)】 着手をしたとき、その着手と同じベクトルだけ動く駒。Imitator が駒を飛び越えたり、駒のある地点に着手したり、盤の外に出たりするような着手は禁止。これは王手の判定にも適用される。

【手順】
3七銀、2二竜転[I41]、2八竜転[I47]、2七玉[I38]、2八銀[I29]、1七玉[I19]、1八飛まで7手。
【ミニ解説】
銀の打ち場所の候補は5か所ありますが、3七銀が正解。2五銀、3五玉[I42]、2四銀[I41]の筋が見えますが、攻め手が続きません。
壁駒を打つ受けはなく、玉を動かす手もないため(銀を動かすと転してしまう)、2二竜転[I41]と受けて王手を消します。

3手目は所属が攻め方に変わった竜を2八竜転[I47]と動かし、王手を復活させると共に所属を再び変えます。
ここまで来たら、後は簡単。2七玉[I38]、2八銀[I29](飛を持駒に)、1七玉[I19]としてImitatorを隅に移動させ、1八飛で詰みとなります(両王手に見えますが、銀は動けないので飛の単騎詰)。
2二竜転[I41]、2八竜転[I47]の連続転が主眼の手順でした。
 
【楽屋裏】
次回のWFP作品展に投稿する予定でしたが、こういう形で発表することに。同時発表するべきだったかなぁ。
本作では壁駒の受けは出てきませんでしたが、壁駒として出した駒を転させる展開も可能なので、解図の際にはこの点も考慮するといいかも知れません。