レオ・ブルース『冷血の死』(ROM叢書16)★★★★

〈歴史教師探偵キャロラス・ディーン〉シリーズ第2作である本作は、米版が刊行されなかったため入手困難の稀覯本として知られているのだとか(同人出版である日本版も入手困難本になってしまった……)。

今回キャロラスが挑むのは、田舎町の町長の溺死事件。事故死という結論に納得できない遺族の依頼で、彼女は捜査を開始する――。
いやはや、今回も面白かった。大きなキズ(解説で触れられている)があるものの、逸品と言わざるをえない出来。さすが、レオ・ブルース。

余談:解説で日本の作品について言及されているが、作者とタイトルをぼかさなくてもよかったのでは?(背景と同色で明かします。梶龍雄の『海を見ないで陸を見よう』)

少部数の同人出版で終わらせるのは惜しいので、商業出版化に手を挙げる所が出て欲しい。
(12月17日読了)