吉村達也『龍神温泉殺人事件』(講談社文庫)★★

銀座の超高級クラブ『パルフェ』のホステス・相原舞子(源氏名:相原季美子)が、江東区越中島の自宅マンションで惨殺された。凶器は牙で、部屋は血まみれだった。その夜、同僚のホステス・龍神季美子(源氏名:神田瞳)はクラブに何度か来た大泉辰郎に呼び出された。彼は「龍神村から来た季美子という名の女を探している」と言い、彼女は二十一年前の惨劇の記憶を呼び覚まされる……。
事件から三日後、野々村政志は失踪した恋人の季美子を探すため週末の休みを利用して南紀へ飛んだ。彼女の出身地の龍神村を目指そうとした矢先、先着していた母親の育子が現れた。もめた末、二人で龍神温泉へ向かうことになった野々村は奇絶峡を見てデジャ・ヴに襲われる。一方その頃、鳥居坂テラスハウスで『パルフェ』のママ・浅井千晶の惨殺体が発見されていた――。
夏目捜査官親子シリーズ第4作にして、温泉殺人事件シリーズ第3作。