山本巧次『江戸美人捕物帳 入舟長屋のおみわ 春の炎』(幻冬舎時代小説文庫)★★★

季節は春。海辺大工町の人が使っていない納屋が燃え、付け火と断定された。数日後、お美羽が仕切る入舟長屋で火事騒ぎが起きた。長屋の住人の働きもあり仏師の仙之介の家の裏にある塀が少し燃えただけで済んだが、紐が発見され付け火であることが確定する。それから数日後、今度は神田豊島町の呉服商・大倉屋が付け火され住居部分が燃えた。お美羽は大倉屋の跡取り息子・勝太郎に頼まれ下手人探しに乗り出す――。
〈入舟長屋のおみわ〉シリーズ第3作。