山本巧次『乳頭温泉から消えた女』(集英社文庫)★★☆

積丹半島の観光スポットの一つ、積丹岬に近い島武意海岸の展望所から男性が転落死した。死んだのは小樽の建築会社浅木工務店の専務・三島卓朗。未明に転落したと思われ、遺書はなく、余市署生活安全課の堀警部補は自殺か他殺か判断に迷う。
乳頭温泉郷鷺の湯温泉を訪れたリスクコンサルタントの円堂雅流は、旅館のフロントで女性客が先着した友人の姿が消えたと訴えている所に遭遇した。興味を持った円堂は彼女に詳しい話を聞く――。