『3分で読める! 誰にも言えない○○の物語』(宝島社文庫)

ショート・ストーリーを26編収録した書下ろしアンソロジー
ベストは貴戸湊太「誰にも言えない赤い傘の物語」。

中町信『佐渡ヶ島殺人旅情』(BIG BOOKS)★★★

佐渡を訪れた売れない推理作家の氏家周一郎と妻の早苗。氏家が所用で新潟に行くことを話すと、女子マラソンのオリンピック代表で飛行機事故で亡くなった知人の孫娘・武里久子の墓参をしたいとかねてから言っていた早苗が佐渡へ足を延ばさないかと提案したのだ。到着した夜、『ホテル相川』の駐車場の石垣のわきの草むらから北本三千江の撲殺体が発見された。彼女はホテルのロビーで誰かを見て「あの写真の人だわ……」と言ったといい、それは早苗、作詞家・矢城夏世、オリンピック代表の補欠だった浜岡洋子の母親・ゆり子、元マラソン選手・鳴海亜紀の四人のうちの誰かのようだ。翌日、久子の墓参りを済ませた氏家夫妻が佐渡金山の「そば処」で休憩しているとタヌキ穴の近くで女性が死んでいると騒ぎになり行ってみると、矢城夏世が死んでいた――。
佐渡金山殺人事件』改題。
長編12作目で、氏家周一郎シリーズ第1作。
中町は本作発表の翌年に医療系出版社を退職して専業作家になり量産体制に入るが、本作はその幕開けとなった作品と言え、ダメな部分も含めて中期(量産期)中町作品の要素がほぼ全盛りされている。
ミスディレクションが巧妙で、「オーム」の意味に全てを賭けてそれが解けると事件の構図が一発で見えるというシンプルな構成は流石の一言。前述したようにダメな部分(キャラクターに魅力がない等)があるものの中期作の中では出来は悪くない(佳作の一歩手前)ので、読んでみてもいいと思う。

『Problem Paradise』発表作(8)

『Problem Paradise』94号・Shogi-U301

【点鏡】
55に関して点対称な位置にある2つの駒は、敵味方関係なく互いにその性能が入れ替わる。
なお、行き所のない駒の禁則は適用されない。
【All-in-Shogi】
双方とも自分の手番の時に相手の駒を動かすこともできる。敵玉を王手がかかる位置に動かしてもいいし、敵の持駒を打ってもいい。ただし、双方とも1手前の局面に戻すような着手は禁手とする。
(補足)
1)相手側の駒を動かすとき、自分側の駒を取らせることはできるが、相手側の駒を取らせることはできない。
2)相手側の駒で自分側の駒を取らせたとき、その駒は相手側の持駒となる。
3)自玉を取らせる手は反則。
【協力詰(ばか詰)】
双方協力して最短手数で受方玉を詰める。透かし詰は詰みと認められない。
【結果】
正解 全解2名?(実質1名?)、2)のみ1名?
【手順】
1)11角、99玉、22v玉、99飛、12v玉まで5手。
2)77角、33飛、51v飛、59v角。89v玉まで5手。
【コメント】
2019年7月4日完成、2019年7月7日投稿、2021年4月20日再投稿。
高坂研氏作(『プロパラ』86号・U262)を見て閃いた作品。
初手(最遠打と短打)&玉の移動距離(大移動と1マス移動)の対照をテーマにした2解だが、少々苦しいか。配置及び1)の手順に高坂氏作との違いがあまり感じられないのが難点。
受方98歩→と金にすると2)の単解になりますが、本図の方がいいですよね。

いただいた本

井上ねこ先生からご恵贈賜りました。ありがとうございます。
26.『このミステリーがすごい!』編集部=編『3分で読める! 誰にも言えない○○の物語』(宝島社文庫) ※サイン本