ミステリー

松嶋智左『三星京香、警察辞めました』(ハルキ文庫)★★★

S県警本部刑事部捜査一課の三星京香はある事情から刑事部長を殴って負傷させ、警察人生に終止符を打った。離婚し、娘の親権を取るために頼ったのは、幼馴染でかつて恋心を抱いていた弁護士の藤原岳人。彼が勤務する「うと法律事務所」に調査員として再就職し…

西村京太郎『SLやまぐち号殺人事件』(文藝春秋)(評価保留)

SLやまぐち号の5号車が山口―仁保間7.5キロを走行中に消失し、乗客32名が誘拐された。乗客の中に東京の警備会社社長がいたことから山口県警は彼を狙った誘拐事件と推測。会社が株を売却して2億円を用意し送金したことが分かり、乗客の解放が近いと思われたが…

山本巧次『満鉄探偵 欧亜急行の殺人』(PHP文芸文庫)★★☆

満鉄探偵 欧亜急行の殺人 (PHP文芸文庫)作者:山本 巧次PHP研究所Amazon

辻真先『富良野・狩勝殺人ライン』(カッパ・ノベルス)★★☆

九官鳥を連れた探偵・不二永介シリーズ第1作(2作目が書かれることはなかった)。富良野・狩勝殺人ライン (カッパ・ノベルス)作者:辻 真先光文社Amazon

深谷忠記『横浜・長崎殺人ライン』(光文社文庫)★★★

十月二十九日の午後十時すぎ、横浜・港の見える丘公園で男の絞殺死体が発見された。二日後、被害者は陽光電器産業のエリート社員・久保木裕一と判明する。神奈川県警捜査一課の薬師寺警部補は久保木のライバル社員・谷島俊之に疑惑の目を向けるが、彼には上…

貴戸湊太『認知心理検察官の捜査ファイル 検事執務室には嘘発見器が住んでいる』(宝島社文庫)★★★

結婚式の最中に花婿を殺した花嫁、犬猿の仲の末期癌患者を殺した男、同棲している恋人を殺した動機を「月が綺麗だったから」と供述する作家、サンフランシスコへ高飛びする幼女連続殺人事件の容疑者を乗せた飛行機内で起きた殺人――検事執務室に住む変わり者…

西村京太郎『寝台特急(ブルートレイン)殺人事件』(光文社文庫)★★★★

ブルートレインの人気の秘密を探るため、「週刊エポック」の記者・青木は東京発西鹿児島行きの下り寝台特急〈はやぶさ〉に乗り込んだ。薄茶のコートを着た女に魅かれた彼は思わず写真を撮るが、フィルムを盗まれてしまう。その後、青木は奇妙な体験をするこ…

浅黄斑『富士六湖 まぼろしの柩』(カッパ・ノベルス)★★☆

台風による豪雨で山梨県上九一色村に出現した「幻の湖(赤池)」の底に女性の全裸死体が沈んでいた。家出人捜索願が出された古西千都子のようだと神奈川県警から報告があり、県警捜査一課の松川巡査部長は神奈川県警捜査一課の篝俊輔警部補の協力のもと伊勢…

大谷羊太郎『やまびこ129号 逆転の不在証明』(立風ノベルス)★★★

溝口弓子は栃木県足尾山地の山岳自然公園で暴行され、数週間後、自殺した。 翌年、弓子の友人の河西幹子が自宅マンションで殴殺された。容疑者として恋人の佐伯政司が浮上するが、彼には事件当夜、三人に見送られて大宮駅から東北新幹線「やまびこ一二九号」…

堂場瞬一『ピットフォール』(講談社文庫)★★★☆

1959年、ニューヨーク。元刑事の私立探偵ジョー・スナイダーは、カンザスから出てきた女優志望の娘シャーロットの捜索を依頼された。その矢先、友人で黒人の探偵ウィリーが殺されたとの知らせを受ける。その手口は白人女性ばかりを狙う連続殺人犯イーストリ…

松坂健『海外ミステリ作家スケッチノート』(盛林堂ミステリアス文庫)★★★★★

少ない枚数で対象作家の核心を突く軽妙な語り口を堪能。今まで敬遠していた作家も読みたくなりました。 執筆予定に入っていながらも急逝により書かれなかった作家たち(エラリー・クイーン、カーター・ブラウン、コリン・デクスター、D・E・ウェストレイク、…

『3分で読める! 誰にも言えない○○の物語』(宝島社文庫)

ショート・ストーリーを26編収録した書下ろしアンソロジー。 ベストは貴戸湊太「誰にも言えない赤い傘の物語」。3分で読める! 誰にも言えない○○の物語 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)宝島社Amazon

中町信『佐渡ヶ島殺人旅情』(BIG BOOKS)★★★

佐渡を訪れた売れない推理作家の氏家周一郎と妻の早苗。氏家が所用で新潟に行くことを話すと、女子マラソンのオリンピック代表で飛行機事故で亡くなった知人の孫娘・武里久子の墓参をしたいとかねてから言っていた早苗が佐渡へ足を延ばさないかと提案したの…

深谷忠記〈黒江壮&笹谷美緒シリーズ〉リスト

01.信州・奥多摩殺人ライン(1986年9月) 02.「阿蘇・雲仙」逆転の殺人(1986年10月) →阿蘇・雲仙逆転の殺人 03.「札幌・仙台」48秒の逆転(1987年4月) →札幌・仙台48秒の逆転 04.アリバイ特急+-の交叉(1987年7月) 05.「南紀・伊豆」Sの逆転(19…

山田正紀『山田正紀・超絶ミステリコレクション#2 囮捜査官 北見志穂1 山手線連続通り魔』(徳間文庫)★★★☆

〈囮捜査官 北見志穂〉シリーズ、シーズン1の第1エピソード。山田正紀・超絶ミステリコレクション#2 山手線連続通り魔 囮捜査官 北見志穂1 (徳間文庫)作者:山田正紀徳間書店Amazon

鉄ミス&トラミス大賞2021

《鉄ミス&トラミス大賞2021》受賞作 〈新刊・新作部門〉 受賞作なし 〈旧作部門〉 深谷忠記『「法隆寺の謎」殺人事件』(光文社文庫、徳間文庫) 〈特別賞〉 横溝正史・島田一男・井沢元彦・島田荘司/佳多山大地=編『悲劇への特急券 鉄道ミステリ傑作選〈…

西村京太郎・宮脇俊三・天城一・森村誠一/佳多山大地=編『殺人者を乗せて 鉄道ミステリ傑作選〈昭和国鉄編Ⅲ〉』(双葉文庫)★★★★★

鉄道ミステリ・アンソロジー第3弾。西村京太郎「『雷鳥九号』殺人事件」からスタート。鮎川哲也編『無人踏切』採録。 大阪発金沢行きの特急「雷鳥九号」のトイレで射殺体が発見された。被害者と親しげに話していた女性客の犯行としか考えられないが、彼女は…

深谷忠記『執行』(徳間書店)★★★★

1992年2月、N県掘田市で登校途中の女子小学生2人が行方不明になり絞殺死体で発見された。2年後、赤江修一が逮捕され死刑判決が下される。無実を主張する彼は控訴・上告するが棄却され、判決確定から2年後に刑が執行された。 2014年3月、最高裁の上告中…

芦辺拓『大鞠家殺人事件』(東京創元社)★★★★★

昭和18年、大阪・船場の化粧品商《大鞠百薬館》の長男に嫁いだ陸軍軍人の娘・中久世美禰子は夫・多一郎が上海へ出征したことにより、大鞠家の人々と同居することになった。やがて彼女は惨劇に巻き込まれ――。 傑作。 戦時下でしか成立しない物語であるのが素…

竹本健治選『変格ミステリ傑作選【戦前篇】 』(行舟文庫)★★★★★

漱石・谷崎・芥川・久作・甲賀三郎・地味井平造・渡辺温・浜尾四郎・乱歩・海野・小栗・木々・川端・正史・十蘭による戦前の傑作15編に加え、同時代の中国の短編「真偽の間」(孫了紅)を収録した変格ミステリ・アンソロジー。 甲賀「黒衣を纏う人」・川端「…

松嶋智左『開署準備室 巡査長・野路明良』(祥伝社文庫)★★★

東京都からそれほど遠くないY県。ある事故で重傷を負い九か月の療養を経て復帰した元白バイ隊員・野路明良巡査長は地域合併により誕生した姫野市に設置される姫野署の開署準備室総務課に異動となり、説得されて取り止めた退職を再び考えはじめていた。開署…

リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク『レヴィンソン&リンク劇場 皮肉な終幕』(扶桑社ミステリー)★★★☆

『刑事コロンボ』『エラリー・クイーン』『ジェシカおばさんの事件簿』等のミステリードラマ製作者コンビによる小粋な短編ミステリ10編が楽しめる1冊。 「ある寒い冬の日に」「愛しい死体」が双璧かな。 第2弾、お願いします。※本書は日本オリジナルだが、近…

深谷忠記『「法隆寺の謎」殺人事件』(光文社文庫)★★★☆

三月十三日、慶明大学考古学研究所から法隆寺の境内から出土した史料三十二点が盗まれた。笹谷美緒は手塚桐郎から会って話したいとの電話を受け、戸惑う。慶明大学考古学研究所の大学院生である彼はかつて美緒にしつこく言い寄り、壮と付き合うきっかけを作…

井上ねこ『花井おばあさんが解決! ワケあり荘の事件簿』(宝島社文庫)★★★

長野県平野市にある独居老人専門アパート「若鮎荘」(通称「ワケあり荘」)に住む元小学校教諭の花井朝美が様々な事件に首を突っ込み、解決していく連作集。「罪なき咎人」 水田で元小学校教諭・松村武雄の焼死体が発見された。警察は自殺として処理する方針…

松嶋智左『女副署長 緊急配備』(新潮文庫)★★★☆

日見坂署事件(前作参照)で管理者責任を問われ、佐紋署に左遷された田添杏美警視。赴任して間もなく、隣接署管内でひったくり事件が発生し緊急配備を敷いた最中に山間部で女性の死体が発見された。18年ぶりの殺人事件に署内が騒然とする中、港で警備部の巡…

大谷羊太郎『浄土ヶ浜殺人事件』(カッパ・ノベルス)★★☆

フリーアナウンサーの船越由佳子はうだつの上がらない夫に離婚を切り出した。最後の思い出にと離婚旅行をすることにした二人は、深夜高速バスで浄土ヶ浜に向かった。車中で若い女性が毒死し、翌日にはバスの乗客だった男の死体が浄土ヶ浜で発見され、知らな…

吉村達也『龍神温泉殺人事件』(講談社文庫)★★

銀座の超高級クラブ『パルフェ』のホステス・相原舞子(源氏名:相原季美子)が、江東区越中島の自宅マンションで惨殺された。凶器は牙で、部屋は血まみれだった。その夜、同僚のホステス・龍神季美子(源氏名:神田瞳)はクラブに何度か来た大泉辰郎に呼び…

若桜木虔『寝台特急出雲・大井川の殺人交差』(ジョイ・ノベルス)★★

午前四時、上り寝台特急《出雲八号》が金谷トンネルを出てすぐに投身自殺に遭遇し、急停車した。個室寝台で熟睡していた雑誌記者の西東南はベッドから床に転落して目覚め、隣の個室寝台の異変に気付いた彼女は車掌に話してドアを開けてもらうと、ベッドの上…

倉阪鬼一郎『鉄道探偵団 まぼろしの踊り子号』(講談社ノベルス)★★☆

東京・新橋の喫茶店「テツ」に集う鉄道ファンたち。鉄道探偵団を名乗る彼ら・彼女らが、急いで下りてきたばかりの新幹線ホームへ別の階段を使い駆け上がっていく鉄道写真家(「東京駅で消えた男」)、湘南ライナー1号を踊り子号に誤認させる男の目的(「ま…

津村秀介『伊豆の死角』(講談社文庫)★★

『小説NON』に1988年~92年にかけて発表した十篇を収録した第4短編集(初刊=1993年2月)。 文庫版のあらすじに旅情ミステリー傑作集とあるが、事件小説集と言うのが正しい。 収録作の殆どに金・不倫・セックスが絡み、淡泊な文体で書かれているため続けて読…