宮原龍雄、逝去

日本推理作家協会のサイトで会報をチェックし、宮原龍雄が亡くなったことを知る。
宮原は『宝石』の100万円コンクールC級に投じた「三つの樽」でデビュー。「五つの紐」「新納の棺」「ニッポン・海鷹」などの短・中篇を30篇余発表し、伝説のリレー小説「むかで横丁」では発端篇を担当。ペダントリーと佐賀の風土に溢れた作品が多く、(当時としては不運にも)中篇で本領を発揮するタイプのミステリー作家だった。
作品集は一冊も刊行されておらず(河出文庫の〈本格ミステリコレクション〉が続いていれば……)、再評価してほしい作家のひとりでした。
私的ベスト5は(発表順に)「三つの樽」「新納の棺」「ニッポン・海鷹」「瓢と鯰」「世木氏・最後の旅」。
合掌。
(追記:2011年1月、遂に待望の選集が刊行されました。)
↓宮原作品を収録した選集とアンソロジー(の一部)。

宮原龍雄探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

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パズルの王国 (ミステリーの愉しみ)

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山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー (角川文庫)

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江戸川乱歩の推理教室 (光文社文庫)

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江戸川乱歩の推理試験 (光文社文庫)

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「エロティック・ミステリー」傑作選―甦る推理雑誌〈8〉 (光文社文庫)

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甦る「幻影城」〈2〉探偵小説誌 幻の名作 (カドカワ・エンタテインメント)

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