井上ねこ『盤上に死を描く』(宝島社文庫)★★★☆

71歳の老女殺しからはじまった連続殺人。現場にはプラスチックの将棋駒が残され、被害者たちには“色と欲”絡みのトラブルはなかった。コンビを組む愛知県警捜査一課の水科優毅と港南署の佐田啓介は、あることに気付く――。
第17回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。
詰将棋絡みのミステリーというと、岡沢孝雄・斎藤栄竹本健治山沢晴雄山村正夫吉村達也らの作品があるが、本作はガチな詰将棋ミステリーになっていて、業界初の本格的な詰将棋ミステリーと言っていいと思う。
中盤まではミッシング・リンクでひっぱり、事件が収束してからは××テーマが浮かび上がる構成でよく出来ていますが、水科とある人物の立ち位置の違いをもっと突っ込んでもよかったのではと思いました。
余談ですが、水科が古本屋の均一棚からクロフツフレドリック・ブラウンの文庫を拾っていて、親近感がわきました(笑)。

盤上に死を描く (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

盤上に死を描く (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

購入本

17.梶山季之山前譲=編『地面師 昭和ミステリールネサンス』(光文社文庫
 →〈昭和ミステリールネサンス〉第2弾。6編収録。巻末に編者解説。
18.小泉喜美子『殺人は女の仕事』(同上)
 →青樹社版に単行本未収録作を加えた8編収録。解説は山前譲
19.倉阪鬼一郎『ぬりかべ同心判じ控』(幻冬舎時代小説文庫)
 →書き下ろし。5編収録。

殺人は女の仕事 (光文社文庫)

殺人は女の仕事 (光文社文庫)

頂いた本&購入本

井上ねこ先生からデビュー作をご恵投いただきました。ありがとうございます。
d14.井上ねこ『盤上に死を描く』(宝島社文庫) ※サイン本
 
支部大会で行う懸賞フェアリー詰将棋の賞品(の一部)として、下記2冊を購入。
15.詰将棋達人倶楽部/監修:広瀬章人八段『楽しく解いて強くなる 1手3手5手の詰将棋』(彩図社
d16.詰将棋パラダイス=編『サクサク解ける 詰将棋練習帳 林の巻』(マイナビ将棋文庫)

購入本

13.井上ねこ『盤上に死を描く』(宝島社文庫
 →第17回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。解説は西上心太

盤上に死を描く (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

盤上に死を描く (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)