71歳の老女殺しからはじまった連続殺人。現場にはプラスチックの将棋駒が残され、被害者たちには“色と欲”絡みのトラブルはなかった。コンビを組む愛知県警捜査一課の水科優毅と港南署の佐田啓介は、あることに気付く――。
第17回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。
詰将棋絡みのミステリーというと、岡沢孝雄・斎藤栄・竹本健治・山沢晴雄・山村正夫・吉村達也らの作品があるが、本作はガチな詰将棋ミステリーになっていて、業界初の本格的な詰将棋ミステリーと言っていいと思う。
中盤まではミッシング・リンクでひっぱり、事件が収束してからは××テーマが浮かび上がる構成でよく出来ていますが、水科とある人物の立ち位置の違いをもっと突っ込んでもよかったのではと思いました。
余談ですが、水科が古本屋の均一棚からクロフツやフレドリック・ブラウンの文庫を拾っていて、親近感がわきました(笑)。
- 作者: 井上ねこ
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2019/02/06
- メディア: 文庫
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