多岐川恭

多岐川恭『首打人左源太事件帖』(徳間文庫)★★★

『首打人左源太』(双葉社)改題・再文庫化。 潮地左源太、三十一歳。水戸藩最強の剣士だった彼は密通した妻を斬り、藩の重臣の縁故者との仕合で相手を叩きのめして寝たきりにたため、家禄を取り上げられ浪人になった。剣の腕を活かし一人十両で罪人の首打ち…

多岐川恭『目明しやくざ』(光文社時代小説文庫)★★★☆

多岐川は〈ゆっくり雨太郎捕物控〉をはじめ、捕物帳(やそれに類するもの)を10シリーズ以上手掛けている。本シリーズは、岡っ引の弥七の甥でやくざな男の伊佐吉が難事件に挑む連作。 1992年8月刊の本書は『江戸妖花帖』(1975年6月刊)改題となっているが、…

多岐川恭『出戻り侍』(光文社時代小説文庫)★★★☆

多岐川恭は時代小説の名手でもあった。『女人用心帖』から『情なしお源金貸し捕物帖』まで多数刊行され、ジャンルは歴史小説・歴史推理・時代伝奇・捕物帳(とそれに類するもの)・ピカレスクと多岐にわたっている。 本書は『深川売女宿』(桃源社/1972年刊…