『ミステリマガジン』2011年3月号(No.661)を拾い読み。特集は後日読むことにして、今回は単発記事と連載の覚書。
権田萬治「第一次大戦での大量死と本格探偵小説との関係についての疑問――笠井潔氏のチャンドラーやヴァン・ダインに関する見解をめぐって」。権田先生による笠井潔批判(というか公開質問)。笠井論への疑問は全くその通り。5月号に笠井の反論(返答?)が掲載されるようなので、そちらもチェックしよう。テリー・ノックス(チャンドラー『ロング・グッドバイ』)の過去が明かされているので、未読の方はご注意を。
石上三登志「トーキョー・ミステリ・スクール」第15回。チャンバラと刀が追放された時期の日本映画の情況。『斬る』で「刀」にはじめて触れた新鮮さを得、三隅研次監督作品を追いかける。石上氏が『斬る』を見て刀に新鮮さを得たというのは良く分かる。市川雷蔵とコンビを組んだ「剣」三部作は、見事な刀映画だものなぁ。
安井俊夫「建築視線」第9回。モーラ・ジョス『夢の破片(かけら)』から考える、文化の違い。面白そうなので、本屋で見かけたら買おう。
皆川博子『DILATED TO MEET YOU ―開かせていただき光栄です―』(第7回)
ネイサンは〈マシュー〉からネイサン邸への道をたどり、ダニエル・バートン邸と解剖教室へ侵入する。―現在。鉄の罠アボットに抱えられて戻ってきたエド。ナイジェルと〈マシュー〉を出たところを、襲われ刺されたのだ。アボットが帰った後、ナイジェルはエドに代わり知っていること全てをアル、ベン、クラレンスに話し、ダニエルの兄ロバートへの疑いをさらに強くするのだった――。ラストに向けてまとめに入ったなと思ったらこの展開。うーん、どうなるんだろ。
高橋葉介「怪盗ミルク 現わる」
少年の前に現れた少女は、怪盗ミルクと名乗った。盗めないものはないと言う彼女は、少年の夢に出てくる怪物が欲しいと言い、少年は了承するのだが――。新連載漫画『怪盗ミルク』第1話。うーん、そうきたか。これは一本取られた。
紀田順一郎「幻島はるかなり〈翻訳ミステリ回想録〉」第15回。『マンハント』の連載コラムが本になる。
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ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)
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