山田正紀『サブウェイ』(ハルキ・ホラー文庫)★★★

地下鉄・半蔵門線の「永田町」駅に来て心より願うのであれば、誰よりも大切に思っていた死人と会える――都市伝説に引き寄せられ「永田町」駅を訪れる人々の前に死人は現れるのか?
都市伝説を入り口にして「生者と死者の関係」と登場人物たちの「愛」「悲しみ」「想い」を描いたホラー長編(分量的には中編というべきか)。
重い過去を背負った登場人物たちが生者の世界と死者の世界の〝境界〟に踏み入れた時、彼・彼女らの本質が露わになりそれぞれに結末が訪れるという、なかなか良くできたホラーです。