『ミステリマガジン』2010年5月号を拾い読み

『ミステリマガジン』2010年5月号（No.651）を拾い読み。
ロバート・B・パーカー追悼特集。深夜に放送していた『私立探偵スペンサー』*1（スペンサー：ロバート・ユーリック[星野充昭]、スーザン：バーバラ・ストック[井上喜久子]、ホーク：エイヴリー・ブルックス[笹岡繁蔵]）を観て興味を持ち、10冊くらい読みましたよ。
「ロバート・B・パーカ年表」を眺めていて、『BLストライカー／ボーイズ・ブルース』が目に留まる。「シャドー・コップ」*2という邦題でソフト化されていて、レンタルで観たなぁ。今度、トム・セレック主演の「警察署長ジェッシイ・ストーン」シリーズと、エド・ハリスが監督・主演・脚本・制作のウエスタン『アパルーサの決闘』をレンタルしよう。
ロバート・B・パーカー「仕事のない日」There's No Business（初出=Audiobooks Today 2003年2月10日付）
　スーザンから友人の作家ボブが書いた探偵小説の朗読を頼まれたスペンサーだが――。掌編。スペンサーらしいオチ。
「スペンサー」Spenser（初刊=“Spenser”[The Mysterious Bookshop,2007]）
　スーザンの友人でハーヴァード大学教授のエイミー・トレントが『挑む男たち』という本を書くために、出版社に提出するプロファイルのサンプルが必要だという。スーザンからスペンサーを紹介されたエイミーは、彼に質問をする――。スペンサーが人生哲学、幼少時代、スーザンやホークとの関係について語っていて、ファンには興味深いのでは。
「ハーヴァード大学のスペンサー」Spenser Among the Crimson（初出=1984年定例戦プログラム[Harvard Football News発行 1984年11月17日付]）
　アメフトのハーヴァード大対イェール大の試合に出かけたスペンサーとスーザンの他愛のない会話――。掌編。
「スペンサーもファン」Spenser's a Fan,too（初出=The Boston Globe 1986年10月6日号）
　レッドソックスとヤンキースのナイトゲームに出かけたスペンサーとスーザンのひととき――。掌編。
リー・ゴールドバーグ＆ウィリアム・ラブキン「眠りをさまたげる夢」Sleep Less Dreams（放映日=[ABC]1987年11月8日）
　スペンサーとホークはチンピラにみかじめ料を払いたくない店主の依頼で24時間店の張り込みをしていたが、一瞬の隙を突かれ店を爆破されてしまう。帰宅したスペンサーは依頼人からの電話に応答中、向かいのオフィスの窓から女性が飛び降りるのを目撃する。彼女の名はローリー・フィッシャー。ローリーは一命を取り留めたが、フランク・ベルソン部長刑事の調べでローリー・フィッシャーは存在しないことが判明する。彼女の正体は、なぜ自殺を図ったのか。不眠のスペンサーが捜査を開始する――。『私立探偵スペンサー』（シーズン3）＃50のシナリオ。支配から逃れようともがき苦しむ女性を、ボロボロになりながらも助ける話。中盤以降の展開が駆け足気味なのが残念。不眠でボロボロのスペンサーが痛々しくもあり、かっこいい。そして、おいしいとこを持って行くホーク。ドラマ版を観たいなぁ。
高橋葉介「年盗み（ユース・テイカー）」
　顔のない女の今回の標的は、年盗み（ユース・テイカー）と呼ばれる少女の殺し屋――。連載漫画『顔のない女』第五話。オチに笑った。
芦辺拓『七人の探偵のための事件』（第2回）
　係員の先導で階上フロアに到着した獅子堂警部補。回廊の突き当たり近くの扉には、ボックス席の異変に気付き駆けつけてきた七人の老若男女が集まっていた。七人の中には作家の芦辺拓の姿があった――。ついに（作中の）芦辺拓が探偵デビューか！と思ったのに、言動で偽者と分かってしまった。残念（笑）。犯人の目的は盲点を突いたもので、こういうのは大好き。旧名鳴町に舞台を移す次回が楽しみだ。
小説以外のもの。千葉豹一郎「お茶の間TV劇場」、今回は名作『逃亡者』を紹介。