峰隆一郎『西鹿児島発「交換殺人」特急』(講談社文庫)★★★

寝台特急はやぶさ」車内で立見史子が農薬を盛られて殺された。それから1時間後、横浜山下公園で反町悠介が射殺された。2つの事件の容疑者である男女には完璧なアリバイがあったが、交換殺人と考えればアリバイはないことになる。反町の妹の依頼を受け、ごろつき探偵・鏑木一行は調査を開始した――。
1990年7月刊。ごろつき調査員・鏑木一行シリーズ第1作。
佳多山大地『トラベル・ミステリー聖地巡礼』で「峰のこのジャンルにおける代表作と推したい」「交換殺人テーマを語るうえでも読み落とせない佳品」と紹介されているので期待して読み始めたが……時刻表トリックは添え物で男女の心理に焦点を当てたいつもの峰隆ミステリだった。
ネタを割ることになるので詳しいことは書けないけれど尽くツボを外しているので、佳多山さんの評には首を傾げざるをえない。