第2回不詰展示会 その3

第2回不詰展示会 その3(『WFP』第138号)

【協力自玉ステイルメイト(ばか自殺ステイルメイト)】
 双方協力して攻方玉をステイルメイトにする。ステイルメイトとは、王手は掛かっていないが合法手のない状態のこと。
【点鏡】
 55に関して点対称な位置にある2つの駒は、敵味方関係なく互いにその性能が入れ替わる。
 なお、行き所のない駒の禁則は適用されない。
【All-in-Shogi】
 双方とも自分の手番の時に相手の駒を動かすこともできる。敵玉を王手がかかる位置に動かしてもいいし、敵の持駒を打ってもいい。ただし、双方とも1手前の局面に戻すような着手は禁手とする。
(補足)
1)相手側の駒を動かすとき、自分側の駒を取らせることはできるが、相手側の駒を取らせることはできない。
2)相手側の駒で自分側の駒を取らせたとき、その駒は相手側の持駒となる。
3)自玉を取らせる手は反則。
※本作は、最終手に対してAll-in-Shogiを適用しないルール設定になっています。
【作意】
7三v飛、6七桂、7九v桂不成、3一v王まで4手。
【コメント】
2019年8月22日完成。
攻方王が大移動する作品。WFP113-8で受方玉の移動をやったので今度は攻方王でやってみようということで作りました。合駒で出した桂馬を九段目に不成移動させるのが主眼で、最終形の予測が立たないと見えないので難しかったと思います。

第2回不詰展示会 その2

第2回不詰展示会 その2(『WFP』第138号)

【協力自玉ステイルメイト(ばか自殺ステイルメイト)】
 双方協力して攻方玉をステイルメイトにする。ステイルメイトとは、王手は掛かっていないが合法手のない状態のこと。
【点鏡】
 55に関して点対称な位置にある2つの駒は、敵味方関係なく互いにその性能が入れ替わる。
 なお、行き所のない駒の禁則は適用されない。
【All-in-Shogi】
 双方とも自分の手番の時に相手の駒を動かすこともできる。敵玉を王手がかかる位置に動かしてもいいし、敵の持駒を打ってもいい。ただし、双方とも1手前の局面に戻すような着手は禁手とする。
(補足)
1)相手側の駒を動かすとき、自分側の駒を取らせることはできるが、相手側の駒を取らせることはできない。
2)相手側の駒で自分側の駒を取らせたとき、その駒は相手側の持駒となる。
3)自玉を取らせる手は反則。
※本作は、最終手に対してAll-in-Shogiを適用しないルール設定になっています。
【作意】
6二v角、5七飛、3七v飛不成、5七飛打まで4手。
【コメント】
2019年8月22日完成。
同地点に同種駒を合駒するのが狙い。

津村秀介『時間の風蝕』(集英社文庫)★★★

十月一日、新横浜のホテル・モリシャス。黒いスーツの女は強い西風の向こう側からやってきた。三十分後、女はホテルを去り、三〇六号室に男の毒殺死体が残されていた。被害者は宿泊カードから杉野康則と思われたが、彼の代理で女と会うことになっていた小玉二郎だった。女は〝こだま269号〟に乗り三島で降りたことまで分かったがその後の消息は不明、小玉の詳しい素性も不明で捜査は難航。似顔絵から女が高級クラブのホステス・桂木みゆきと判明した矢先に彼女の服毒死体が三島のビル建築現場で発見されたと連絡が入り、捜査本部は殺人と考える。小玉が指名手配中の窃盗犯・原田富夫であったことが分かるも、謎はさらに深まる――。
「こだま269号から消えた女」の副題が付されることもある、津村の第2長編。第3長編『黒い流域』と並び、最多の7回刊行されている。1983年2月刊。
本作は『真夜中の死者』〔93年7月〕収録の「美貌という名の仮面」を長編化したものだが、黒いスーツの女がホテルを去った後に部屋で死体が発見されること以外は全くの別物。
メイントリックは類例があるものの大きな賭けに出たもので、このジャンルにつきまとうツッコミへの津村流の回答とも受け取れる。
冒頭第一行目の三字目からトリックの肝となるものに触れる大胆さと効果的に謎を小出しにする手腕が上手く嵌まっており(津村作品を読んだことのある人なら分かると思うが、かなり珍しいことだ)、佳作と言っていいだろう。
(再読)