『刑事 野呂盆六 完全犯罪の女』

東都大学バイオ医療センターの助教授・由岐貴津は、テレビ番組に多数出演するタレント科学者。ある日、彼女は上司で義父の国場教授から呼び出される。国場は貴津が禁じられたバイオ実験で猛毒を作り出したことを突き止め叱責、彼女のマスコミへの露出についても非難をする。怒りが治まらない国場は、彼女の人格を否定する発言をし、進退伺を出すよう命じる。国場に“決して許せない言葉”を言われた彼女は、殺害を決意。そして決行の日を迎えた。国場は論文を徹夜で仕上げるため、研究室に篭っている。貴津は研究で作った猛毒ウイルスを使い、国場を麻痺させゴルフクラブで撲殺。完璧なアリバイを用意し、嫌疑を夫で同大学の助教授・威一郎に向けさせる工作を行う。遺体の第一発見者は威一郎だった。意気消沈する彼の前に、全国各地の方言が入り混じった口調のうだつの上がらない中年刑事が現れる。刑事の名は野呂盆六、警視庁捜査一課の警部補。盆六は、知らせを聞いて駆けつけてきた貴津が落ち着き過ぎているのを不審に思い、彼女に疑惑の目を向ける。
長坂秀佳原作・脚本の野呂盆六シリーズ第1作。本放送以来だから、17年ぶりの視聴になるか。いま見ても十分面白い。