『ミステリマガジン』2010年7月号を拾い読み

『ミステリマガジン』2010年7月号(No.653)を拾い読み。
「迷宮解体新書」第31回 門前典之。前例のない動機のアイディアが気になる。
マイクル・コナリー「ちかみち」Short Cut(初出=小学校高学年向けホラー・アンソロジー“Half-Minute Horrors”)
 ちかみちをしようとしたぼくを待っていたのは――。ショートショート。このオチは見えみえでしょう。
安井俊夫「建築視線」第1回。新連載。クリスティ『カーテン』について。そういう視点で考えたことなかったなぁ。
石上三登志「トーキョー・ミステリ・スクール」第7回。映画雑誌《映画の友》とポール・スタントン『星の村(ヴィレッジ・オブ・スターズ)』(未訳)の話。数年後に論創社から『星の村』の翻訳が出たりして。
小特集「帰ってきた『世界バカミス☆アワード!!』」赤塚不二夫『マンガ狂殺人事件』は探求本の一つだが縁がない。倉阪鬼一郎の受賞コメントのラスト(笑)。
芦辺拓『七人の探偵のための事件』(第3回)
 <探偵>たちは名鳴町へ向かう。彼ら彼女らを待っているのは3つの事件―田んぼのど真ん中で自らの足跡のみを残し、頭から突っ込んで死んでいた男。共同浴場の小火から逃げ、遠く離れた裏山の崖から転落死したキューピーさん。土砂崩れでいかなる車の出入りが不可能な峠道に現れた車の幽霊―。駅前から有無を言わさぬ乱暴なやり口で青年団拉致招致された森江が、田んぼ事件の解明に挑む――。おや、目次では作者が「柴田よしき」になってるぞ(笑)。それはさておき、名鳴町に舞台を移した第3回。森江は田んぼ事件のトリックに思い至ったようだが、分からんなぁ。うーん、丸太を組み上げて橋というか梯子みたいなものを作った? 田んぼ事件のトリック、3つの事件はひとつに繫がるのか、ナイジェルソープのあのセリフは前振りなのか、名鳴町に未着の3人はいつ現れるのか。今後も目が離せませんな。
高橋葉介「スネーク」
 顔のない女の今回の標的は、暗示を使う殺し屋スネーク――。連載漫画『顔のない女』第七話。なるほど、これは上手い手だな。バーテンは、最終話で顔のない女の抹殺を命じられる殺し屋だったりして。
紀田順一郎「幻島はるかなり〈翻訳ミステリ回想録〉」第7回慶應義塾推理小説同好会の活動の思い出。警察庁のエピソードが面白かった。

ミステリマガジン 2010年 07月号 [雑誌]

ミステリマガジン 2010年 07月号 [雑誌]

カーテン (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

カーテン (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)