第106回WFP作品展106-8、2つ?の修正図

第106回WFP作品展106-8は完全作扱いとなっていますが気持ち悪いので、修正図を2つ公開。
本当はどちらか1つに決めるべきなんでしょうが、どちらも捨て難く……。

※修正図その1は、穽の代わりに受方65飛を配置したバージョン(神無七郎氏の案を採用)。
作意は変わりません。

【協力自玉詰(ばか自殺詰)】
 双方協力して攻方玉を詰める。
【受先】
 玉方から着手する。
【Imitator(■またはI)】
 着手をしたとき、その着手と同じベクトルだけ動く駒。Imitator が駒を飛び越えたり、駒のある地点に着手したり、盤の外に出たりするような着手は禁止。これは王手の判定にも適用される。

※修正図その2は、現行ルール(Imitatorが穽に落ちる手は禁手)を適用したバージョン。
一乗谷酔象氏指摘の手順を作意にしました。

【穽(○)】
 着手はできないが、走り駒が通過することはできる箇所を表す。
 
※手順
2四飛、1七香、2五飛[I45]、1二王[I46]、4五角まで5手。

『Web Fairy Paradise』発表作(52)

第106回WFP作品展 106-8(『WFP』第124号)

【協力自玉詰(ばか自殺詰)】
 双方協力して攻方玉を詰める。
【受先】
 玉方から着手する。
【Imitator(■またはI)】
 着手をしたとき、その着手と同じベクトルだけ動く駒。Imitator が駒を飛び越えたり、駒のある地点に着手したり、盤の外に出たりするような着手は禁止。これは王手の判定にも適用される。
【穽(○)】
 着手はできないが、走り駒が通過することはできる箇所を表す。
 
※本作はImitatorが穽に落ちる手を禁じていません。
【結果】
正解3名(実質正解者2名)
【手順】
5四角、1六香、7二角[I62]、1二王[I63]、6二飛まで5手。
【コメント】
2018年10月12日完成、10月14日投稿。
穽は置きたくなかったのですが、初手5四飛の筋を消すため仕方なく置きました。が、この措置がルールの不備を突く結果に。
本作は「Imitatorが穽に落ちる手を禁じない」という解釈で作りましたが、「禁手とする」と解釈した場合、初手2四飛と2五飛の2つの筋が成立します。
発表時はルールが整備されていなかったため完全作扱いとなりましたが、Imitatorが穽に落ちるのは盤外に出る手と同様と考えるのが自然なので、現在は「Imitatorが穽に落ちる手は禁手(通過は可)」というルールに改正されています。

『Web Fairy Paradise』発表作(51)

第105回WFP作品展 105-8(『WFP』第123号)

 
【協力詰(ばか詰)】
 双方協力して最短手数で受方玉を詰める。透かし詰は詰みと認められない。
【Imitator(■またはI)】
 着手をしたとき、その着手と同じベクトルだけ動く駒。Imitator が駒を飛び越えたり、駒のある地点に着手したり、盤の外に出たりするような着手は禁止。これは王手の判定にも適用される。



【結果】
正解8名(実質正解者7名)
【手順】
5六角、3四金、同角[I43]、1三玉[I33]、2三金まで5手。
【コメント】
2018年9月13日完成、9月15日投稿。
初形以外に見るべき所のない易作です。普通すぎたかな?

西ゆうじ・作/長尾ともひさ・画『あべせで用心 清談の章』(ビッグコミックス)★★★★☆

※書きかけにつき、後日、加筆して完成させます。
由井正雪の乱の後、江戸市中非常警戒のため誕生した「江戸北町奉行所風烈廻方」の活躍を描く連作集の第2巻(完結)。九篇収録。
第一話「てくてくトレット」
 日暮里の竹藪で、夜な夜なだいだい色の明かりがつくという。神谷が探索していると知った村井と小島が竹藪に行くと、浮浪者っぽい中年男性と出会い筍御飯を馳走になる。夜になり神谷と会えた二人は、一緒に来たいのなら町人姿になれと言われ――。
第二話「青空スクオル」
第三話「アトラス事始」
 神谷たちは江戸の地図を作ることに――。
第四話「けんかコレクシィ」
第五話「ぽろりプレント」
第六話「びしばしクラン」
第七話「留学ソリシタント」
第八話「朝顔グルゥト」
第九話「どしどしニウ・ヴィント」

あべせで用心 清談の章 (ビッグコミックス)

あべせで用心 清談の章 (ビッグコミックス)

大谷羊太郎『大密室殺人事件』(光文社文庫)★★★

裸一貫から財を築いた不動産業界の大立者・黒住泰造のもとに、彼が二十五年前に岩手県宮古市で起きた殺人放火事件の犯人であると告発する手紙が届いた。差出人を突き止め誤解を解こうと考えた黒住は探偵事務所に依頼、候補者五人のうち行方が掴めない二人の所在を突き止めるため黒住は目をかけている部下の灰山雄一と宍戸朔朗に調査をさせることにする。邸で妻の絵理花を入れた四人で話し合いをしている最中に三千万円を要求する二通目の手紙が届き、激昂した黒住は調査の中止を言い渡す。三日後、考え直した黒住は改めて四人で話し合いをするため灰山と宍戸を伴い帰宅するが執事の池上忠司がおらず、小間使いの小田切初枝、運転手の見川要次郎と妻の光子ら全員で邸中を調べると、密室状態の黒住の書斎で彼の刺殺体を発見。警察の捜査が難航する中、新たな脅迫事件と越後湯沢の別荘で第二の密室殺人が起きる――。
1989年1月刊行の〈八木沢庄一郎警部補シリーズ〉第1作。
タイトルに“大密室”とあり、密室殺人が2つ起きるので密室トリックに期待がかかるところですが、大谷らしいちゃちな機械トリックが使われているので期待してはいけません(大谷作品をある程度読んでいる人なら分かるでしょうが)。
本作のキモは思わぬ所から炙り出される黒幕の正体で、フェアかどうかは微妙な所だけれどそこそこ成功していると思います。
八木沢警部補は名探偵らしさ(黒住邸で初枝を取り調べるくだり等)が感じられ、大谷作品の看板探偵になるべくしてなったキャラクターといえるでしょう。
(再読)