大谷羊太郎『浄土ヶ浜殺人事件』(カッパ・ノベルス)★★☆

フリーアナウンサーの船越由佳子はうだつの上がらない夫に離婚を切り出した。最後の思い出にと離婚旅行をすることにした二人は、深夜高速バスで浄土ヶ浜に向かった。車中で若い女性が毒死し、翌日にはバスの乗客だった男の死体が浄土ヶ浜で発見され、知らないうちに由佳子は事件に巻き込まれていく――。
八木沢庄一郎警部補シリーズ第5作にして、ハイウェイ・ミステリー第2弾(最終作)。1991年6月刊。
ミッシングリンクもので、人間関係と愛情を織り込み事件の構図を見えにくくしているのは評価できる(多少の無理矢理感はあるが、苦心の跡が微笑ましい)。このシリーズらしく意外な犯人だが、5作目ともなると予想がつくのが難点だ。
悪い出来ではないので、機会があったら読んでみてもいいだろう。