芦辺拓「ヴェルデンツ大公国の密室」(『小説NON』2010年5月号)

迷い家伝説」事件(『探偵宣言』収録)で出会った新谷未来生(しんや・みきお)から助けを求める手紙を受け取り、中央ヨーロッパの小国ヴェルデンツ大公国の首都ルナ・エピーネにやって来た森江春策。森江とこの国には浅からぬ縁があった。というのも、大公ヘルマン七世が日本に留学していた時、彼の窮地を森江が救ったことがあったのだ。新聞に来訪が掲載され、森江は《月の棘(ルナ・エピーネ)城》に招かれる。正餐の間で旧交を温めていると、ヴィルヘルミーネ大公女が飛び込んでくる。殺人事件が起きたというのだ――。
長篇『彼らは謎の王国に』の原型作。あれの出自(?)が判明したり、懐かしのキャラが再登場したり。大公女がいいキャラで、長篇版で活躍しそう。

小説 NON (ノン) 2010年 05月号 [雑誌]

小説 NON (ノン) 2010年 05月号 [雑誌]

探偵宣言―森江春策の事件簿 (講談社文庫)

探偵宣言―森江春策の事件簿 (講談社文庫)