検事局を辞め刑事に復職したモラレスは、TJの新たなパートナーとなった。復帰後最初の事件は、シルヴァーレイクのアルヴィン家で起きた。何者かが家に侵入し、主のドンを拘束のうえ浴室に監禁、息子のボビーを撲殺、妻のキャシーをレイプ後に撲殺するという凶悪事件。ボビーの指関節に傷があり、母親を守ろうとして犯人と戦ったと思われる。唯一生き残ったドンによると、ボビーとビックベアに釣り旅行に行っていたが、途中でボビーが体調を崩し家に戻ることにしたという。帰宅した時、洗濯室で物音がしたらしい。22時にボビーを寝かしつけた後、台所で水を飲んでいるときに殴られたという。メガネをかけておらず暗かったため犯人をよく見ていなかったが、白人であること、全裸だったことは憶えていた。犯人の左足にシミか何かがあるらしい。浴室のドアの下から覗いた時、カメラのフラッシュがチカチカしているのが見えたという。犯人は寝室のランプをライト代わりにして撮影したと思われ、下着に血がついていたり破れたりしていることから、襲いながらランジェリーショーを楽しんだようだ。洗濯室に靴跡があり、犯人はここで靴と服を脱ぎ、洗濯物を物色しながら興奮を高めていったのだろう。ドンの証言から、帰宅した時には既に犯人は家に侵入しており、犯人の行動から見て予行演習済みに違いない。近隣で似たような被害がないかを調べ、リヴリン家の事件に着目。夫妻の話によると、半年前、娘の部屋に下着の写真が置かれていて、娘の下着が数枚盗まれた。侵入方法が結局分からず、警報機を取り付けたという。モラレスがアルヴィン家と同じスピーカーが設置されていることに気付き夫妻に訊ねてみると、7ヶ月前に取り付けたとのこと。2つの家にスピーカーを設置した業者によると、見積もりで6社に勝ったといい、見積もりの際、後で困ることがないよう床下から屋根裏まで見るという。似た手口の事件は9件あり、全てAV機器を取り付けたか見積もりを依頼した家。全ての家からあがった業者中一番怪しいのはノーラン・サウンド、他社の見積もりより2割以上も高かった。炙り出すためゴンザレス警部補が囮捜査を行うが、現れた業者はAVインストール社のスティーヴ・インマンだった。彼が言うには男から電話があり、妻が仕事を依頼したいというので見積もりに来たという。パームスプリングス警察が裏を取り、アルヴィン家が襲われた夜のインマンのアリバイが成立。ノーラン・サウンドの社長グレッグ・ノーランは5年前に死亡していることが分かった。会社の電話番号は使い捨て携帯のもので、メールは6つのプロキシ・サーバーを経由させていることから、専門家による成りすましで間違いない。犯人は囮捜査に気付き、インマンを嵌めたのだ。この男は、危険で歪んでいて賢い人物だ――。